界面活性剤の話➁
今日は界面活性剤の種類についてです。
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前回書いたように界面活性剤の分子には
水に溶けやすい部分(親水性)と油に溶けやすい部分(親油性)があります。
界面活性剤の種類は水に溶けやすい部分が
どのようなイオンを持つかによって分類され、
4つの種類に分けられます。
▶︎ アニオン型界面活性剤
特徴 : 水に溶けると陰イオンになるもの。
働き : 洗浄 可溶化 乳化 脱脂
...アニオン型は特に洗浄に関して優秀です。
表記に石ケン素地が入っているものはいわゆる石鹸(の成分のもの)です。
皮膚刺激は比較的弱く洗浄力は強いです。
成分例 : 石ケン素地...洗浄力抜群。
石ケン系は水に含まれるミネラルと反応し毛髪に着くと
強いきしみが出て洗いにくく毛髪を傷めやすくなります。
(温泉などに行ってあんまりシャンプーや石鹸が泡立たないのは
石ケン成分と温泉のミネラルが反応してしまうためですね!)
ラウレス硫酸Na...きしみが生じにくいため
シャンプーや洗顔料など顔周りに使う製品によく使われます。
クリーミーな泡立ちが特徴。
などのアミノ酸の名前を含んでいるものの多くは
アミノ酸系洗浄剤といわれる界面活性剤で、
石ケン系と比べると保湿力が高く、脱脂力が低いのが特徴。
肌が弱い人やあまり汚れていないときに使うなら
アミノ酸系のものを選ぶと良いかもしれません◎
▶︎カチオン型界面活性剤
特徴 : 水に溶けると陽イオンになるもの。
働き : 柔軟 帯電防止 殺菌
...カチオン型は主にヘアケアの特にコンディショナーや
トリートメントに使われます。
シャンプー後、頭皮はマイナスの電気を帯びているので、
そのマイナスの電気とくっつき、静電気を防いだり
指通りを滑らかにしてくれます。
また、殺菌の効果もあるので、
殺菌や消毒の効果のある石鹸には
このカチオン型が主成分のものもあります。
皮膚刺激はやや強めです。
▶︎アンホ型界面活性剤
特徴 : 溶けた水によってイオンが+かーに変化するもの。
働き : マイルドな洗浄 保湿 柔軟 整肌
...溶けた水によってアニオンとカチオンのどちらの性質にも変化するので、
どちらの効果も持つことができますが、
もとのアニオンやカチオンほどの効果はなく
どちらもやや弱め(マイルド)な働きになります。
刺激の低い化粧品に多く配合されています。
高級シャンプーやベビー用に使われることが多く、
皮膚刺激は弱くなっています
成分 : コカミドプロピルベタイン...洗浄と髪を柔らかくする作用を
持っているためリンスインシャンプーや
トリートメント効果のあるシャンプーなどに配合されています。
コカミドとは植物のヤシが原料という意味です。
ラウリルベタイン・ココアンホ酢酸Na
...肌が弱い人や洗浄後の肌のカサつきが気になる人で低刺激の洗浄剤を選びたい人は
肌を柔らかくして保湿する効果のあるこの2種類が
配合されているものを選ぶと良いかもしれません。
▶︎ ノニオン型界面活性剤
特徴 : 水に溶けてもイオンにはならないため
どんな成分とも自由に組み合わせることができる。
皮膚刺激はほとんどなし。
働き : 乳化
...主にクリームや乳液の乳化剤として使われます。
メイク用品やクレンジングなどにも多く使われます。
成分 : PEG-(数字)...数字の部分が大きいほど、
水によく馴染むという意味です。
クレンジングなどを探すときの1つの目安にしてみてください。
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このように界面活性剤にも様々な種類、
そして効果があることが分かったと思います。
界面活性剤にはたくさんの効果があるので
1つの化粧品に使われているのが1つの界面活性剤とは限りません。
いくつもの種類を入れて相乗効果で効果を出しやすくすることもあります◎
自分の体質や目的に合わせて
どんな効果を持つ界面活性剤なのかを
少し気にできるとさらに満足感を得ることができるかもしれないですね!
参考 : 化粧品検定1級テキスト
化粧品成分表示のかんたん読み方手帳