界面活性剤の話➀
今日は界面活性剤の話です。
界面活性剤と聞くと何となく
あんまり良くないものというイメージの人が
多いのではないでしょうか?
界面活性剤...ひとつの分子の中に
油に馴染みやすい部分(親油性)と水に馴染みやすい部分(親水性)の両方を持っている。
この性質を利用して洗浄、乳化(水と油が細かい分子になって分散すること)、浸透などの働きをする。
例えば乳液やクリームには水溶性の成分と
油性の成分をくっつける〈乳化〉の目的として
界面活性剤が使われています。
シャンプーや洗顔料、トリートメントなどにも
〈洗浄〉〈柔軟〉〈殺菌〉などの目的で
界面活性剤は使われています。
また、普段から使っている石けんも
反応させてできた界面活性剤の一種なのです。
《化粧品ではないですが、マヨネーズも油と水分が混ざってできています。
これは卵に含まれるレシチンという界面活性剤のおかげです。》
このように界面活性剤はほぼすべての化粧品や
スキンケア用品、
それ以外にも普段生活で使う様々なものに含まれています。
ではなぜ界面活性剤は悪いものという
認識が広がったのでしょうか??
1つには食器用洗剤で手荒れが起きたことが
そもそもの始まりだったという話があります。
食器用洗剤に使う界面活性剤には、油汚れを落とす強い洗浄力が必要です。
使う中で、油汚れと手の皮脂のどちらかを選んで落とすことはできないので
手の皮脂も落ちすぎて手荒れをしてしまうのは仕方のないことなのです。
食器用洗剤の〈油汚れを落とす強い界面活性剤=手荒れを起こす〉というものが
〈界面活性剤=肌に良くない〉となってしまったのでしょう。
しかし、同じ〈洗浄〉の効果を持つ界面活性剤でも
食器用洗剤とシャンプーや洗顔料に使われている界面活性剤では
その種類も濃度も違います。
様々な種類のある界面活性剤の中から
その用途にあったものが選ばれているのです。
また、石けんは天然の成分だから安心と思っている方も、
石けんは初めて合成に成功した界面活性剤なのです。
つまり石けんは天然の成分だから肌に優しいのではなく、
その種類と量などが適しているから安心して使えるということなんですね◎
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今回のメモで界面活性剤だからといって
すべてが肌や身体に悪いわけではないということが
ふんわり分かったと思います。
次回は最初に少し書いたように〈洗浄〉〈乳化〉〈保湿〉〈柔軟〉〈殺菌〉など
界面活性剤の様々な働きについてのメモを残したいと思います。
参考 : 化粧品検定1級テキスト
化粧品成分表示の読み方手帳